出産レポ①予定無痛分娩のはずが突然の破水。長い二日間の始まり

出産レポ
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じわぁ。

「…‼」

寝ていた私は、何かが漏れるような感覚で目を覚ましました。

よく聞く「パツンッ」という破裂音はなく、生理のときに経血が出るような感覚。

急いでトイレへ向かうと、下着には薄いピンク色の液体がついていました。

「破水だ。」

数日後から入院する予定だった私は、この日はまだ「普通の朝」だと思っていました。

でも、この日の少し前から、「あれ?」と思うことがいくつかありました。


「そろそろ入院日が決まるかな」と思っていた妊婦健診

予定日が近づいた頃。

この日の健診では、

「〇日に入院しましょう。」

そんな話があるんだろうな、と勝手に思っていました。

でも、病院へ行くと様子が少し違いました。

いつもは15分くらいで呼ばれるのに、この日は1時間以上待つことに。

待合室もどこか慌ただしい雰囲気でした。

今なら分かります。

きっと緊急帝王切開や急なお産が重なっていたんだと思います。

でも当時の私はそんなことは知る由もなく、

「今日は混んでるなぁ。」

くらいにしか思っていませんでした。

実はこの頃、私はNST(ノンストレステスト)や内診に少しドキドキしていました。

他のママさんの出産レポを読むと、

「NSTを受けました」
「内診グリグリ痛すぎる」
「子宮口〇cmでした」

という話が当たり前のように出てきます。

「私も今日かな?」

と少し緊張していたのですが……

診察はあっさり終了。

エコーで赤ちゃんが元気なことを確認して終わりでした。

「予定日を過ぎた次の健診で相談しましょう。」

その一言だけ。

「あれ?そんなものなのかな?」

と少し拍子抜けしたのを覚えています。


「あー、全然まだだね」

予定日を過ぎた健診。

この日、ようやく内診がありました。

先生が診た瞬間、

「あー、硬いね。」

思わず笑ってしまうくらい子宮口が硬かったそうです。

「全然まだだね。」

そこで初めて、

「このままなら数日後から入院して、促進剤を使いましょう。」

という話になりました。

そのときの私が思ったことは一つ。

「その情報、前の健診で知りたかったよ!!」

でした笑

前回の検診の際に産院が忙しく、おざなりに扱われたと感じていたのです。

でも、この気持ちは出産後に変わります。

私自身が緊急帝王切開を経験して初めて知りました。

出産って、本当に何が起こるかわからない。

病院では、その瞬間その瞬間で優先しなければいけない命があります。

予定通りに診察が進まない日もある。

きっとあの日も、誰かの大切な出産を支えていたんだと思います。

だから今振り返ると、

「あの日は本当に忙しかったんだな。」

そうに思えるようになりました。


数日後の朝

入院まであと数日。
「今日はゆっくり眠れる。」

そう思っていた朝でした。

“じわぁ”という感覚で目が覚めます。

「破水だ。」

急いで産院へ電話。

出産日を超えてから在宅ワークにしてくれていた夫にも声をかけます。

でも、夫も私も少しパニック。

私は羊水が止まらないので、ひとまずトイレに。

夫は落ち着いた顔をしているのに、家の中をうろうろ笑

事前に「こういう順番で動こうね」と話していたことも、頭から吹き飛んでいるようでした。

まずは産院に電話をする予定なのに、「タクシー呼ぶね!」と張り切る夫に、私はトイレから指示を出します。

人間、自分より慌てている人がいると落ち着けるものですね。

「メモ…!机の上の付箋‼そこに直前に入れるものリスト書いてあるから、まずはそれ準備お願い!」

事前に直前に入院バッグに入れる物とその保管場所、破水した際の連絡・行動の手順や連絡先をわかりやすい場所に置いておきました。

これは本当にお勧めです。

夫の慌てっぷりに少し冷静になりましたが、私自身、次に何をするべきか頭が真っ白でした。

夫に指示を出しつつ、移動に備えて私は産褥パッドをつけようとして……

「あれ?これどうやって付けるの?」

ナプキンみたいにテープが付いていると思い込んでいた私は大苦戦。

産褥パッドは夜用ナプキンより一回り大きくて厚みもあり、しかもテープがありません。

固定できないので、ちょっと動くだけでズレてしまうんです。

結局、夫をトイレに呼んで手伝ってもらいました。

産褥パッドを夫に支えて貰いながら、私は大きいお腹を抱えながら慎重にパンツを上げていきます。

何度か失敗し、ようやく装着。

その間、恥ずかしい気持ちより、夫に下の世話をさせているようで情けない気持ちになりました…。

これからいざ出産!の予定が、こんな最初で躓くとは。

今となっては笑い話ですが、そのときは必死でした。

出産後に産院で貰った産褥パッドにはテープがついていたので、種類があるみたいです。

入院準備でご自分で用意する際は確認する事をお勧めします!


病院で感じた、人生で一番の恐怖

病院へ着いて、夫はいったん帰宅。

私は診察の前にNSTを受けることになりました。

機器を装着してもらい、カーテンの仕切りの中で一人きりで少し待ちました。

NST自体初めてだったのですが、印刷されてくる紙を見て不安が募ります。

波形が印刷されるであろうその用紙に、波形が見られなかったのです。

(機器の不調?ちゃんと装着できてない?まさか――)

待機したのは10分ほどでしょうか。

その間、不安ではちきれそうでした。

現れたのは、ベテランオーラただよう助産師さん。

歴戦の猛者、という表現がぴったりな雰囲気の方でした。

退院するまでお世話になるこの助産師さん、私は心の中で「オカン」と呼んでいます。

(この人なら大丈夫。)

そう思えたのを今でも覚えています。

その助産師さんの表情が、NSTの用紙を見て曇りました。

画面から目を離さず、お腹の機器を調整して。

「赤ちゃん、寝てるのかな?」

赤ちゃんを起こそうと、助産師さんが私のお腹を押して、反応を待ちます。

カーテンの中の狭い空間に緊張が走りました。

助産師さんが小さな声で言いました。

「赤ちゃんの心拍が弱いみたい。」

助産師さんのその一言で思考が凍りました。

最悪のことが頭をよぎりました。指先が、チリチリしたのを覚えています。

――大丈夫。

――落ち着け。

――大丈夫。

心の中で何度も自分に言い聞かせます。

「ママさん、朝ご飯は食べた?」

助産師さんの問いに何とか答えます。

「あっいえ。破水で目が覚めたので、そのまま…」

「スポーツドリンクとか持ってきてる?」

「入院バッグの中に」

助産師さんの指示で持参していたポカリを飲むと、赤ちゃんの心拍は元気に。

「赤ちゃんに糖分が行ってなかったんだね。大丈夫だよ。」

助産師さんの一言に

「あぁ……よかった。」

心の底から安心した瞬間でした。


この時点では、

「予定より少し早く入院になっちゃうな。」

そのくらいの気持ちでした。

まだ、この出産が私の人生で一番長い2日間になるなんて、想像もしていませんでした。

次回は、入院初日のお話です。

「ちょっと待ってね。」

その言葉を何度も聞きながら、

終わりの見えない時間が始まります。

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